元気な夏の蝉の声から、夜には少しずつ秋の虫の歌声も聴こえるようになってきました。秋は実りの時期で、新米や果物もたくさん実り、今までの成熟が形になって現れる時です。
これから冬に向かって、動物たちが蓄えに入る時期で、私たち人間も秋の豊富な食材を楽しむ食欲の秋突入で、体も一番大きくなる時かもしれませんね(笑)
秋になると湿気も減ってきて、少しずつ乾燥し始めます。乾燥対策は欠かさないようにしていきましょう。
では、ここからもう少し秋の養生(不調の整え方や食事)についてお話していきたいと思います。
ここでは、古代中国から伝わった自然哲学の「陰陽五行思想」に基づいて整え方を紹介していきます。
自然界は木・火・土・金・水の5つの要素から成り立っていて、「春は木」「夏は火」「4つの季節の変わり目が土」「秋は金」「冬は水」の気(エネルギー)と考えられています。
「金」は熱を冷やして万物を凝固し、枯らし養分を地中へ内蔵させる秋を表しています。
1.秋の過ごし方のポイント
秋の期間は、暦上で
立秋(2024.08.07)~立冬前日(2024.11.06)
までです。
(※文献によって大雪(2024.12.07)や冬至(2024.12.22)までとなっていることもあります。)
肺と大腸のケアが必要
東洋医学では、内臓全体を六臓六腑という言葉で表しますが、六臓六腑は五行(木,火,土,金,水の五元素)にも当てはめられます。
体外の冷気を取り入れ、不必要なものを取り除き、体内の状態を清潔にする「肺」と「大腸」は「金」に属します。
秋の時期には「肺」と「大腸」が衰えやすくなったり、過剰に働いたりするのでケアが必要だということです。
この時期に起こりやすい不調
- 呼吸不全、喘息、風邪
- 血流が悪くなり脳の機能低下
- 眠気やため息が多くなる
- 悲観的になり、うつ傾向がみられる
- 便秘や排泄障害
- 肌荒れ、鼻つまり
乾燥に注意
秋になると、空気も涼しくなり、とても過ごしやすくなってきます。その反面、空気が乾いてきて、お肌の乾燥や口や喉が渇くようになってきます。
秋の臓器と呼ばれる肺は乾燥を嫌うので、乾いた空気を吸うと傷つき、せきの風邪や喘息発作などの症状が出やすくなります。
呼吸が浅くなっていると感じた時には、秋の経絡(肺経・大腸経)が滞っている可能性があるので、肺や大腸の経絡を通る肩や首のケアが必須になってきます。
綺麗な空気のところに出向き深呼吸をすることや、秋の果物などで水分を取り入れることもオススメです!
心のケアをしよう
肺が弱ってくると、心にも影響が出てきます。呼吸が浅くなるので、生きる力そのものが弱くなり、悲観的な感情に囚われやすくなるのです。
憂鬱な状態が続くと、肺と陰陽の関係にある大腸の働きも弱ってくるので、便秘やめまい、気分の落ち込みなどの症状も出てきます。
肩まわりの筋肉をほぐし、経絡の滞りを解消して、体の中にエネルギーを循環させ、生命力をアップしていくように心がけましょう。
悲観的になったときに読んで欲しい「心の科学」
冬の冷え性改善の準備期間
秋の時期は、内臓の整えも大事です。
食欲の秋で、暴飲暴食をし、内臓を疲れさせてしまわないように注意しましょう。
冬の冷えに備え、泌尿器系や腎臓への刺激も行っていきます。
冬を快適に過ごすための準備は今からはじめていくことが大切です!
2. 秋の体の整え方
ここでは、東洋医学の観点から体の整え方をお伝えしていきます。
東洋医学では、陰と陽という重要な概念があり、そのバランスが崩れることで体調が崩れるとされています。
陰陽の関係は体だけでなく、女と男、お腹と背中、裏と表、月と太陽、水と火、夜と昼などあります。
互いに補い合うからこそ、バランスがとれて保っていけるのです。
東洋医学では、陰と陽のバランスを整えるために、ツボとツボを繋ぐ経絡を刺激します。
経絡は目に見えないけれど、重要なエネルギー(気)の通り道なのです。
体の表面だけではなく、内側の内臓器官とも関連しているので、経絡を刺激すれば体調不良を整えることもできると考えられています。
肩や首回りをしっかりとほぐそう
先ほども少しお話しましたが、秋の時期は肺経と大腸経が弱まるとされています。
肺と大腸は陰陽の関係にあることから、肺から送り込まれる気によって、大腸はスムーズな働きができ、肺の機能低下は大腸のトラブルに大きく関わります。
逆の場合も同じです。
肺と大腸の経絡(ツボが駅だとしたら、経絡は線路のようなもの)は、肩や首のラインを通ります。
肩や首回りをしっかりとほぐして、経絡の滞りを解消しましょう!
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3.秋にオススメの食材
秋に代表される食材は【白い食材】【辛味】
刺激の強い香辛料などは、乾燥によって働きが弱くなっている肺にも良いです。
この時期の食材は、風邪の症状改善や対策にもオススメ!!
秋にオススメの食材
- 大根やれんこんで、胃腸の働きを助ける
- 玉ねぎやネギで疲労回復
- 梨や柿など秋の果物で乾燥を防ぐ
- 発酵食品で便秘を改善
- 唐辛子やにんにくなどの辛味の食材で冷え改善
「二十四節気についてまとめた記事の「秋」の項目」から、各節気の記事をご覧いただくと、この秋の期間を6つに分けて、それぞれにオススメの食材やメニューをもう少し詳しく紹介しています。併せてご覧ください。
4.秋の養生まとめ
秋は、少しずつ涼しくなって、集中力も増し、体も動かしやすくなってきます。
食欲の秋で、美味しいものをたくさん蓄えるのも良いですが、スポーツの秋や読書の秋、芸術の秋を楽しんでみてはいかがでしょうか。
この時期の養生の仕方で、今年の冬の体調に関わってきます。
特に、冷え性のある方は、しっかりと筋肉もつけて、冷えない体つくりを目がしていきましょう!
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- 執筆:Sumie
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