心の科学は、ヨガ哲学や様々な哲学、心理学や私が経験してきたことを合わせて、心が心地よく豊かに過ごせるために書いています。
今回は、そんな心の科学の中でもヨガ哲学よりの記事です。
ヨガ哲学では、体はただの借り物で本来の自分自身であるアートマン(魂)がこの世界で様々な冒険をし、たくさんのドラマを描くための道具に過ぎないと考えられています。
好きや嫌いの感情も、色々考えだす思考も全てがアートマンの冒険の為に生まれてくる時に、この世界から貸してもらった道具なのです。
だから、その道具に執着したりコントロールされたりせずに、いつも本来の自分自身で生きることで自由で幸せに過ごすことが出来る。そうするために、ヨガという修行を通して練習しています。
借り物は綺麗に返そう
体は借り物
ヨガの練習で一番に思い描けるのは、体を使った様々なポーズ(アーサナ)でしょう。
自分の体を使うことで、使い方を知りコントロールしていくのが目的です。
しかし、ヨガを始めた時には誰しも、自分の体を知らずにケガをして痛めてしまいます。
そこで気づかなければならないことがあるからです。
それは、この体はアートマンの入れ物であり、この世界から貸していただいているということです。
そう。私たちのこの体は借り物なのです。
アートマンは輪廻を繰り返し成長させていきます。
しかし、アートマンだけでは成長ができないので、この世界は私たちに身体や感情、思考などを貸してくださっています。
借りているということは、最後はお返ししなければならないということです。
借りたものは大事に使おう
昔、友人に好きなアーティストの新作CDを貸したことがあります。
自分の好きな曲やアーティストを友人も気に入ってくれるといいなと思い貸したのですが、数日後返ってきたそのCDケースは傷だらけで割れていました。
なんとか中身のCDは無事だったものの、とてもショックでもうこの友人には物は貸したくないと思ったものです。
この世界も同じなのです。
私たちに貸し出した体という入れ物が、ボロボロになって返ってきたらどうでしょうか。
ショックを受けて、もうこのアートマン(魂)には入れ物(体)を貸したくないと思うでしょう。
体を貸してもらえなければ、あなたのアートマンは成長の冒険に出かけられません。
借りた者は、大切に扱って感謝の心と共に返さなければならないのです。
冒険を続けるために「休む」
だから、体が疲れているなと感じた時には、しっかりと休みましょう。
どこかが痛いなというサインは、
「気づいてよ。扱いが雑だよ。」
とこの世界があなたにメッセージを送っているのです。
最初は痛みや違和感というメッセージだけを送っていたこの世界も、度が過ぎるとその道具を一時的に修理に出すために取り上げてしまいます。
それが、私たちの世界では入院や何日も熱が出る、その部位が使えないといった状況です。
この世界の「大切に扱ってよ」のサインを無視すると、大きな病気になり強制的に返されることにもなります。
それは、そのアートマンの冒険がそこから先できないということです。
愛をもって道具を使う
私たち人間は、この入れ物である体をどうにか良い状態で返すために、たくさん試行錯誤を繰り返しています。
それがヨガやストレッチ、ピラティス、鍼灸、整体などかもしれません。
人間の智恵と受け継がれた経験で、この体を丁寧に扱うことを学んでいるのです。
それは、食事法かもしれませんし、睡眠法かもしれません。
様々な方法でこの体を癒そうとしているのです。
もし、あなたが今、体の痛みや疲れを無視しているのだとしたら、ちょっとだけ立ち止まって考えて欲しい。
あなたがその体を貸す立場だとすれば、そのボロボロになった体のまま返して欲しいですか?
人間は歳をとります。
それに合わせてもちろん体も歳をとります。顔のシワは増え、白髪が出来て腰が曲がるかもしれません。
そんなことはこの世界も知っています。
むしろそれは、その入れ物の味となって返ってきて「最後まで愛用してくれてありがとう」と思うかもしれません。
雑に扱うのではなく、丁寧に扱うことが大事なのです。
どんな道具でも雑に扱えば、その寿命は短くなります。
しかし、丁寧に愛を持ってその道具の声を聴いて扱えば、何年たってもよきパートナーとして活躍してくれます。
体と私たちの魂であるアートマンもそんな関係でいなければならないのです。
笑顔で「ありがとうございました」と返すために…
あなたは後ろめたい気持ちなく、今のその体を返すことができますか?
どうだろう…と一瞬でも感じた方は、体の声を聴いてあげてください。
休むときはしっかりと休んで、メンテナンスを欠かさないようにしてあげてください。
そうすれば、あなたはまだまだこの世界を冒険できます。
丁寧に扱われたその体は、どこまでも旅に出かけられます。
その冒険の中で、あなたはたくさんの人と出会い、様々な経験をするでしょう。
嬉しいことも悲しいことも味わって、そのアートマンはさらに成長するのです。
そして、来世パワーアップしたアートマンでまた、楽しい冒険に旅立つのです。
疲れを感じたら、一度道具の手入れをしてあげましょう。
それをするのは、道具の借主であるあなたの使命であり責任なのですから。
大事な道具とこれから先もたくさんの旅に出かけられるように、最後には「ありがとうございました」と笑顔でこの世界に返すことが出来るように。
Sumie 🌙.*·̩͙✩.